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大山 直幸; 三浦 幸俊; Chankin, A. V.; 竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 鎌田 裕; 及川 聡洋; 篠原 孝司; 竹治 智
Nuclear Fusion, 43(10), p.1250 - 1257, 2003/10
被引用回数:16 パーセンタイル:46.47(Physics, Fluids & Plasmas)反射計によるtype I ELMの詳細測定の結果、ELMによる密度ペデスタルの崩壊はプラズマの弱磁場側に局在化していることが予想された。そこで、反射計とFIR干渉計を用いてプラズマの弱磁場側と強磁場側の同時密度計測を行い、ポロイダル非対称性を確認する実験を行った。反射計の位相変化から評価した弱磁場側反射層の変位は約5cmであった。この変位に対応する強磁場側干渉計の密度変化を評価したところと見積もられたが、実際の観測では強磁場側における密度変化は観測されていない。つまり、ELMによる密度ペデスタルの崩壊は弱磁場側に局在化していることを示している。また、ELMに伴う周辺部密度増加の詳細を調べるため、プラズマを水平方向に動かした時の密度変化を測定した。その結果、強磁場側ではELMによる密度の吐き出しは観測されない、つまり強磁場側の密度ペデスタルは壊れていないことを確認するとともに、周辺部干渉計で観測された線積分密度の増加はスクレイプオフ層とペデスタル部における密度増加が支配的であることを明らかにした。
福田 武司; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 坂本 宜照; 鎌田 裕; 井手 俊介; 小出 芳彦; 竹永 秀信; 三浦 幸俊
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A341 - A349, 2002/05
被引用回数:7 パーセンタイル:24.31(Physics, Fluids & Plasmas)核融合実験装置における定常運転では、高い自発電流成分に加えて優れた閉じ込め性能と安定性が要求されることから、内部輸送障壁が存在する下でさらにプラズマ周辺部に輸送障壁を形成し、Hモード状態を得る必要がある。しかしながら、優れた閉じ込め性能を発揮する内部輸送障壁の存在によってプラズマ周辺部に到達する加熱入力が低減し、プラズマ周辺部の密度が顕著に低下する。その結果、Hモード遷移に必要な加熱入力が既存の比例則から予測される値よりも高くなることが最近のJT-60における実験で明らかになった。一方、Hモードプラズマでは、一般に内部輸送障壁の形成に必要な加熱入力が高くなる。本論文では、Hモード遷移の鍵を握るプラズマ周辺部の密度と温度に注目して、内部輸送障壁とHモードが同時に形成・維持される条件について実験的に調べた結果を報告する。
井手 俊介; 鈴木 隆博; 坂本 宜照; 竹永 秀信; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 福田 武司; 鎌田 裕; 白井 浩; 滝塚 知典
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A137 - A142, 2002/05
被引用回数:18 パーセンタイル:50.83(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて、閉込め改善プラズマへの電子加熱の影響を調べる実験を行った。JT-60Uも含めて、これまで多くの中・大型トカマクで見られた閉込め改善モードは、100keV程度のビーム加速電圧のNBI加熱を用いており、入射パワーは主にまずイオンに吸収される。これに対して、核融合炉心プラズマでは粒子による電子加熱が主体となり、このような状況での閉込め改善モードの振る舞いを調べることは重要である。実験では典型的な閉込め改善プラズマである負磁気シア放電を高プラズマをターゲットとし、ECHとビーム加速電圧~350keVの負イオン源を用いたNBI(N-NBI)により電子加熱パワーを増大させた。いずれのプラズマにおいても、電子加熱パワーを増やすことにより中新領域での電子温度とイオン温度の比は1を越え、この領域においても良好な閉込め改善度(H 2.4)を得ることが出来た。しかしながら高プラズマにおいて、電子加熱時にイオン温度の閉込めが減少するのが観測された。発表では、電子加熱時の熱輸送係数の空間的な変化や加熱パワー電子・イオン温度の比等との関連について報告する。
Chankin, A. V.; 伊丹 潔; 朝倉 伸幸
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A399 - A405, 2002/05
被引用回数:10 パーセンタイル:33.09(Physics, Fluids & Plasmas)H-モードの密度限界は、非接触ダイバータにより決まるとのモデルがある。そこで、H-モードの密度限界のメカニズムを探るためにJT-60の高密度H-モード放電について解析を行った。MARFE及び非接触ダイバータに至る高放射損失のNBI加熱プラズマでは、非接触ダイバータとH-L遷移を切り分けることが可能であり、H-L遷移の近傍では、強い非接触ダイバータ状態がみられるが、それ自身は密度上昇を制限しない。つまり、JT-60の密度限界は、H-L遷移により引き起こされるハードな限界という見方はできるが、非接触ダイバータにより決まるとは結論できない。
鎌田 裕; 竹永 秀信; 諫山 明彦; 波多江 仰紀; 浦野 創*; 久保 博孝; 滝塚 知典; 三浦 幸俊
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A279 - A286, 2002/05
被引用回数:77 パーセンタイル:89.73(Physics, Fluids & Plasmas)高三角度化及びペレット入射による高 ELMy Hモードの性能向上と、それを支えるペデスタル構造について報告する。高三角度化により、高閉じ込め・高規格化ベータ完全非誘導電流駆動プラズマを、瞬間ダイバータ熱流束の小さなGrassy ELMy Hモードと共存させることに成功するとともに、負イオン源NNB入射により、高HHファクターHH=1.2,高規格化ベータ=3をグリンワルド密度指数60%で達成した。また、連続固体水素ペレット入射により、高閉じ込めが得られる密度上限を伸長した。このとき、通常のガス供給法と比べて、同密度で3倍も高い周辺温度が得られた。周辺ペデスタル部の圧力限界がポロイダル値とともに改善されることを見いだし、コア部からペデスタル部を含む全領域における分布の観点からHモードプラズマの性能決定プロセスを明らかにした。
滝塚 知典; 坂本 宜照; 福田 武司; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 鈴木 隆博; 井手 俊介; 白井 浩
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A423 - A428, 2002/05
被引用回数:13 パーセンタイル:40.64(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60U中の内部輸送障壁(ITB)のある負磁気シアプラズマでは、ELMy Hモード閉じ込め比例則に較べより高い閉じ込め性能が得られている。箱型のITBを持つプラズマの閉じ込めエネルギーは、プラズマ電流に強く依存して増加するが加熱パワーにはほとんど依存しない。閉じ込めは、ITB近傍の熱束でなくプラズマの状態で決まると仮定して、JT-60Uの実験データを解析した結果、ITBより内側の領域に閉じ込められるエネルギーは、W=CV(B/)となっていることを見いだした。ここで、Cは1程度の定数,はITB足部の逆アスペクト比,VはITBに囲まれたプラズマ体積,BはITB足部のポロイダル磁場である。この比例則から、ポロイダルベータ値との積が1程度に制限されていることがわかる。この結果は、閉じ込めがブートストラップ電流が重要な役割を果たしているプラズマの平衡条件に支配されていることを示唆する。
Neudatchin, S. V.; 滝塚 知典; 白井 浩; 藤田 隆明; 諫山 明彦; 鎌田 裕; 小出 芳彦; 鈴木 隆博; 竹治 智
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A383 - A389, 2002/05
被引用回数:13 パーセンタイル:40.64(Physics, Fluids & Plasmas)内部輸送障壁近傍の熱拡散係数が急激に変動する現象、ITB事象、がJT-60中の負磁気シアプラズマにおいて観測されており、この現象の解析を進めてきた。ここでは、プラズマ周辺で起こるL-H-L遷移とほぼ同時に発生するITB事象について、その動的挙動とL-H-L遷移との相互作用を記述する。H-L遷移により、弱いITBの領域でほぼ同時的に劣化ITB事象が発生し熱拡散係数が増加する。Lモード期間中に改善ITB事象が発生し熱拡散係数が減少し強いITBが形成される。L-H遷移により、同時的に劣化ITB事象が発生し、負磁気シア領域まで熱拡散係数を増加させる。その後のHモード期間中に、再びITBが改善される場合もある。
朝倉 伸幸; 櫻井 真治; 内藤 磨; 伊丹 潔; 三浦 幸俊; 東島 智; 小出 芳彦; 坂本 宜照
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A313 - A321, 2002/05
被引用回数:22 パーセンタイル:57.23(Physics, Fluids & Plasmas)核融合炉のダイバータにおける照射エネルギー,時間,及び幅を予測するために、特にELM発生後に放出されダイバータ板に到達する熱・粒子束の輸送過程について、解明する必要がある。本発表では、ELMy Hモードプラズマにおいて、ELM発生直後、磁力線方向に発生するプラズマ流を、トカマク装置では初めて3箇所(外側赤道面,ダイバータX点及び内側バッフル上)のポロイダル位置に設置したマッハプローブで同時測定した結果を示す。X点下の外側ダイバータで測定したプラズマ流速は、ELM発生後、100-200s間のみマッハ速度1(イオン音速)程度に増加する。また、増加が観測されたSOL幅はセパラトリクスから1-1.5cm(赤道面の磁気面へマッピング)外側に限られた。高速赤外カメラで、熱流束の急速な増加を観測したが、熱流の照射時間は、カメラの時間分解能程度(250s)であり、熱流束の幅は、1cm程度であった。この結果から、多くが熱流束はプラズマ対流輸送によることを明らかにした。これに対し、内側境界層においては、ELM直後ダイバータへの高速のプラズマ流が観測されず、むしろ流れの逆転が観測された。今後、予行過程の理解が必要である。
藤田 隆明
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(5A), p.A19 - A35, 2002/05
被引用回数:27 パーセンタイル:63.95(Physics, Fluids & Plasmas)内部及び境界輸送障壁の空間構造についてレビューする。高閉じ込め,高のためには、大きな内部輸送障壁半径,高い境界輸送障壁(ペデスタル)圧力などが望まれ、それらを規定する物理機構についての理解が必要である。ELMのない定常Hモードの境界輸送障壁においては、ELMより高い周波数の揺動が存在し、粒子を排出して定常性を得ている。径電場シアや安全係数分布の制御により内部輸送障壁半径の拡大が得られている。負磁気シア放電でしばしば見られる中心部の分布が平坦となる箱形の輸送障壁が形成される機構については、まだよくわかっていないが、大域的な構造形成と捉えるアプローチが有効と思われる。高自発電流割合における圧力分布と電流分布の定常性に関しては有望な結果を得ているが、さらに長時間の実験が必要である。高三角度配位にて内部輸送障壁によるプラズマ圧力の増大によりペデスタル圧力の向上が得られた。
波多江 仰紀; Osborne, T. H.*; 鎌田 裕; Groebner, R. J.*; 滝塚 知典; 福田 武司; Lao, L. L.*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A283 - A288, 2000/05
被引用回数:9 パーセンタイル:29.51(Physics, Fluids & Plasmas)Hモード中は、プラズマの周辺部の温度・密度分布に輸送障壁が形成される。この周辺ペデスタル領域に関する理解は、ITER物理R&Dでの緊急研究課題の一つになっている。周辺輸送障壁の幅すなわち、ペデスタル幅に関するスケーリングは、各トカマク装置で異なる種々の結果が得られており、JT-60UのELM-freeHモードプラズマでは、ペデスタル幅が、()でスケールできることが実験的に確認されている。この研究では、これまでの研究をさらに発展させ、無次元パラメタ(, , )と、ペデスタルパラメタ(周辺温度, 密度, 圧力, ペデスタル幅など)の相関について議論を行った。また、ペデスタル構造、無次元パラメタ依存性について、米国のトカマク装置DIII-Dの実験結果との比較を行った。
福田 武司; 滝塚 知典; 土屋 勝彦; 鎌田 裕; 朝倉 伸幸
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A289 - A297, 2000/05
被引用回数:44 パーセンタイル:76.77(Physics, Fluids & Plasmas)閉じ込め性能の顕著な改善が得られるHモードは、ITERの標準運転方式に採用されており、これまで実験と理論の両面で活発な研究が進められてきた。その結果、H-モード遷移の物理機構に関する描像が確立されたが、遷移に必要な条件の定量的な理解には至っていない。ITERにおける遷移加熱閾値の評価も数多くの実験装置で得られた結果を統計処理した外挿値に基づいており、この予測値の幅が大きいことが問題となっている。本研究では、予測値の幅を拡げる要因として従来不明瞭であったダイバータの幾何形状効果をJT-60で調べた。その結果、開放型のダイバータに比較して排気付の閉構造ダイバータでは、Hモード遷移に必要な加熱入力が顕著に低減することがわかった。また、その要因として不純物量の低減による放射損失強度の低下とプラズマ周辺部の中性粒子がダイバータ領域に圧縮されることを明らかにした。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 小出 芳彦; 坂本 宜照; 内藤 磨; 波多江 仰紀; 諫山 明彦; 鎌田 裕; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A109 - A115, 2000/05
被引用回数:28 パーセンタイル:64.36(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シアプラズマでは、密度・温度勾配が非常に大きい内部輸送障壁層(ITB層)において非常に強い径電場シアが形成され、ブラズマ中心領域の閉じ込め性能が改善される。径電場は、プラズマ回転・圧力分布・磁場配位によって決定されるので、本研究ではITB層が形成された後、接線NBIの入射方向(順方向・逆方向)及び入射位置(プラズマ中心部・プラズマ周辺部)を変えてプラズマ回転分布に変化を与え、ITB層及びプラズマ中心部の閉じ込め性能に対する影響を解析した。同じ入射パワーでも、接線NBIによりITB層近傍のプラズマ回転が大きく変化した場合には、ITB層における径電場シアが弱くなり、プラズマ中心領域の閉じ込め性能が劣化することを明らかにした。ただしプラズマ中心領域への加熱パワーの増加により、プラズマ回転分布変化に伴う中心領域の閉じ込め性能劣化を回避できることも明らかにした。
井戸 毅; 神谷 健作; 三浦 幸俊; 浜田 泰司*; 西澤 章光*; 川澄 義明*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(5A), p.A309 - A315, 2000/05
被引用回数:17 パーセンタイル:47.98(Physics, Fluids & Plasmas)重イオンビームプローブ測定による、L/H遷移時のプラズマ境界付近での電場・揺動の挙動について発表する。加熱パワーが閾値より十分大きい時のL/H遷移では、プラズマ境界付近で-100V程度の空間電位変化が、10から100マイクロ秒の速さで起こる。加熱パワーが閾値近くになると、鋸歯状振動毎に空間電位の変化と段階的な閉じ込め改善が起こり、ELM無しHモードに至る。この時、低周波揺動は早い段階で抑制されるが、高周波揺動(~80~100kHz)は、ELM無しHモードに至る直前で抑制されることがわかった。また早い段階での空間電位分布から、輸送障壁形成に必要な電場勾配に閾値が存在するとしたら、それは1.2kV/m程度以下であることがわかった。
鎌田 裕
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(5), p.A65 - A80, 2000/05
被引用回数:48 パーセンタイル:78.65(Physics, Fluids & Plasmas)核融合プラズマで見いだされている種々の輸送障壁について、その発生条件と制御に関するレビュー論文である。トカマク及びステラレータで見られる内部輸送障壁を、イオン系及び電子系に分けて論ずる。また、有理面の役割及び磁気シアの加熱パワーしいき値に対して論ずる。能動的輸送障壁制御手法として、回転分布制御の可能性について論ずる。さらに、各国トカマクで得られている定常高性能放電のレビューを含める。
鎌田 裕; 及川 聡洋; Lao, L. L.*; 滝塚 知典; 波多江 仰紀; 諫山 明彦; Manickam, J.*; 福田 武司; 土屋 勝彦
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(5), p.A247 - A253, 2000/05
被引用回数:122 パーセンタイル:94.81(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの高三角度Hモードでは、通常のHモードに見られるGiant ELMが消滅し、Grassy ELMが出現する。このようなELMの変化は、三角度が高いほど、安全係数が高いほど、また、ポロイダル値が高いほど発生しやすい。Grassy ELMのあるHモードの周辺温度は、Giant ELMのあるHモード以上となり得、また、不純物の蓄積も発生しない。周辺プラズマの安定性解析の結果、Grassy ELMのあるHモードでは、バルーニング不安定性に対する第2安定化領域へ近接していることがわかった。
佐藤 正泰; 福田 武司; 滝塚 知典; 鎌田 裕; 土屋 勝彦; 白井 浩; 石田 真一; 森 雅博
Plasma Physics and Controlled Fusion, 38(8), p.1283 - 1288, 1996/08
被引用回数:11 パーセンタイル:39.31(Physics, Fluids & Plasmas)ITERのような炉心級トカマクでは、Hモード閉じ込めを基本に設計されている。Hモードに遷移するパワーの閾値(P)は重要な課題である。ITERでは次のスケーリングを基に設計されている。PnBS(n:密度、B:磁場、S:表面積)。閉じ込めに関した物理量がプラズマ電流に依存するにもかかわらず、このスケーリングでは、閾値パワーがプラズマ電流に依存しない。ここでは、閾値パワーがプラズマ電流に依存するかに注意を払いつつ、JT-60UのNBI加熱されたプラズマに対して、閾値パワーのプラズマ電流、安全係数(q)、密度、磁場の依存性を検討した。得られた閾値パワーのスケーリングは、PnB f(n)g(q)である。f(n)は、n1.210mに対して1で、n1.210mに対して1.2/n(10m)である。g(q)はexp[{(q-1)/10}]である。qが約7以下の場合、閾値パワーは電流に依存しない。
白井 浩; 滝塚 知典; 小出 芳彦; 鎌田 裕; 石田 真一; 森 雅博; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 福田 武司; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 38(8), p.1455 - 1460, 1996/08
被引用回数:5 パーセンタイル:20.74(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの中心イオン温度が20keVを越える中心閉じ込め改善モードプラズマにおいてLモードとHモードの間を遷移する際の閉じ込め改善度の時間変化を解析した。電子温度とイオン温度が増加の過程にあり、閉じ込め改善度が近い時に起こる最初のL-H遷移では、閉じ込め改善度は瞬時に増加するが、Hモード遷移後も閉じ込め改善度はエネルギー閉じ込め時間のゆっくりした時間スケールで引き続き増加するといった、2段階の異なった時間スケールで変化することを明らかにした。一方追加熱後十分時間が経過し(1秒以上)閉じ込め改善度がほぼ頭打ちになった時に生じるH-L遷移及びそれに続いて発生するL-H遷移では、最大閉じ込め改善度と最小閉じ込め改善度の間を、よりも短い時間スケールで増減することを明らかにした。
鎌田 裕
Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion, 38(8), p.1173 - 1188, 1996/08
被引用回数:7 パーセンタイル:28.4(Physics, Fluids & Plasmas)各国のトカマク装置で得られた複合Hモード及び改善Hモードに関するレビューを行う。複合Hモードとしては、高p Hモード、スーパーショットHモード、ペレット入射Hモード、CHモード、負磁気シアHモード、高内部インダクタンスHモード等がある。改善Hモードとしては、VHモード、高TIHモードがある。改善閉じ込めの原因としては、EBシアの増大、Ti/Teの増大、密度分布の尖頭化、磁気シアの上昇及び低下等が報告されている。将来的に大切なことは、電子加熱時に発生するか否か、定常状態を維持できるが、高粒子リサイクリングと両立するか、安定性マージンが大きいか等の問題である。今のところ、これらすべてを満たす複合/改善Hモードは得られていない。今後の定常核融合炉の高性能化のために解決すべき諸問題を提示する。
鎌田 裕; 芳野 隆治; 閨谷 譲; 佐藤 正泰; 徳田 伸二; 安積 正史; 竹治 智; 牛草 健吉; 福田 武司; 森 雅博; et al.
Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion, 38(8), p.1387 - 1391, 1996/08
被引用回数:45 パーセンタイル:78.98(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uで発生するELMの発生条件を述べる。閉じ込め性能を決定しているELMは、Giant ELMであり、系統的な解析の結果、高nバルーニングモードでトリガーされていると言える。その発生は、プラズマ周辺での局所的な圧力勾配の限界値到達によりもたらされる。この限界値改善には、電流分布制御及びプラズマ断面形状制御が有効である。特に、JT-60Uにおける高三角度運転では、ELMの発生する圧力限界を約1.5~2倍高めることに成功した。
土屋 勝彦; 竹永 秀信; 福田 武司; 鎌田 裕; 石田 真一; 佐藤 正泰; 滝塚 知典; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 38, p.1295 - 1299, 1996/00
被引用回数:19 パーセンタイル:55.28(Physics, Fluids & Plasmas)ITER物理R&DのH遷移に関する緊急課題の一つとして、H遷移の低密度限界の有無と限界近傍のスケーリングに関する知見を得ることが挙げられている。本講演では、この命題に対する一つの成果として、中性粒子の影響の観点より行った研究の結果について報告する。最近行われたスケーリングを調べる実験について、密度が1.210m以下となる条件において、H遷移のパワーしきい値が急激に高くなる結果を得た。この条件下で、プラズマ周辺部の実効衝突度が下降することも判明した。これはH遷移が困難になることを意味し、しきい値の上昇と矛盾しない。また、H遷移時おける中性粒子密度が増大すると共に、実効衝突度が下降することも、DEGASコードによる解析によって明らかとなった。これらのことより、中性粒子がH遷移に深く寄与しており、特に低密度領域においてその影響が顕著であることを明らかにした。